BOSTONの鉛筆削りを知ったのはマガジンハウスの雑誌であったであろうか。
ピカピカのクロムメッキのような輝きにブラックで引き締められた鉛筆削りが誌面に釘付けになった。
BOSTONの鉛筆削りが私の机を飾ることはなく小さい頃からなじみのある赤い鉛筆削りと一緒だった。
いつしか建築の道に進むようになり、建築やる者なら鉛筆は手で削るといった暗黙の認識のようなものもあり
気がつくと鉛筆は紙の上でシャッシャッとカッターで削るようになっていた。
手で削った方が尖りすぎなくて具合がよかった。
それでも頭の片隅のどこかにあったBOSTONの鉛筆削り。
ずいぶんと時が流れてからイタリアのアルプスの麓で出会うことになった。
思わず声をあげてしまうくらい、再開したかのようでうれしかった。
これはいいぞ、とその後もいろいろな街で見かけることとなるディーラーとの出会いであった。
そんな遠い昔のBOSTONへの憧れのせいかなかなか表に出すことのなかった鉛筆削り、オンラインストアに掲載しました。
バイブルのようであったマガジンストアの雑誌、雑誌に影響されて買い集めた雑貨や持っている物が紹介されたときの喜びとかパリへの憧れをこのBOSTONの鉛筆削りを奥から引っ張り出したときに一気に思い出させた。
いつかはパリで暮らすという漠然とした思いを抱き、フランス映画を片っ端から観て
ようやく初めてパリの地を踏んだときはパリまで行くならローマも行こうとパリの前に寄った永遠の都に打たれて
パリで生活することはなくなってしまった。
VINATGE BOSTON SHARPENER VACUUM MOUNT 8HOLES 1960s
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