イタリアのガラスと言えば、ヴェネツィア、でしょうか。
トスカーナの蚤の市ではグリーンのガラスに出会うことがよくあります。十中八九エンポリのガラスです。
エンポリは鉄道で言うとフィレンツェとピサを結ぶローカル鉄道の沿線にあります。
鉄道を使ってかのレオナルド・ダ・ヴィンチの生家を訪れたことがある方は一度は行ったことがある駅かもしれません。
かつてこの界隈はガラスの産業が盛んでした。今でもMuseo del Vetro di Empoli エンポリガラス博物館があります。
そこではガラスの製法から、この界隈で作られてきたガラス製品の数々が紹介されています。
吹きガラスから型による製作、地域で得やすく、製造価格の都合から緑であったガラスビンが、さまざまな飲料の登場によりおいしくみせるために透明になっていった過程を伝えています。そして今日ではガラス産業は衰退しています。
数年前に行ったエンポリガラス博物館の様子はこちらこらどうぞ。
古いガラスはその形の不完全さや気泡によるあたたかみがあります。
ガラスは冷たいイメージがありますが、工場のラインで作られていない古いガラスや、作家の手によるものはどこかあたたかい感じがします。
グリーンという色が来たるクリスマスの装飾にもよい感じでした。松かさと合わせるだけでなんとなく。
赤い実のなる枝などを添えたらよりよい感じではないでしょうか。
1950年代中頃からエンポリでは型が使われるようになり、その前までは吹きガラスでした。その名残がボトルの底に残っています。
日が当たったときのグリーンの影もきれいです。
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